東大生の多くは,一度も親から
「勉強しなさい」と言われたことがない,
というアンケート結果を見て思ったこと。
「勉強しなさい」と言わなければ勉強するようになる?
残念ながら,なりません。
それだけではなりません。
「勉強しなさい」と言わないこと=勉強するようになる
ではなく,
「勉強しなさい」と言うこと=勉強したくなくなる
というだけのことです。
「勉強しなさい」と言うと,
進んでやる力を持った子供が
自らしない子になってしまう可能性はあります。
でも,「勉強しなさい」と言うのを控えたからといって
進んで勉強しない子供はいつになってもしないように思います。
「勉強しなさい」と言われなかったから勉強ができる?
東大生は「勉強しなさい」と親に言われたことがない,
と聞くと,
「勉強しなさい」と言われなかったことが
よく勉強した原因のように思うことがあります。
でも,いろんな子供たちを見てきて思うことがあります。
それは,足の速い・遅い,頭の良し悪しなどと同じように
「やる気」にも生来の大小があるのだということです。
同じ家庭で,同じ親のもとに育っても,
子どものやる気には大きな開きがあります。
東大生が「勉強しなさい」と言われたことがないのは,
自ら勉強する子だったので
親が口を出す必要はなかった,
ということではないかと思うのです。
つまり,東大生勉強をした原因が
「親から勉強しろと言われなかった」のではなく,
親から勉強しろと言われなかった理由が
「子供が自ら勉強した」ということではないのかと。
自分から進んで勉強する子供の特徴
自分から進んで勉強する子供は
全体のほんの数パーセントではないでしょうか。
彼らには共通点があります。
「やればできる」とうい自信
努力が結果に結びつく,という自信があります。
実際にそういった成功体験を積んでいるため,
努力を厭いません。
目標を達成するために楽しんで努力ができます。
これは,地頭のよさとも関係します。
やってもできないと,
がんばろうという気が起きないのは当然です。
将来を見通し,目標達成までの道筋を立てられる
もう一つ,共通項があります。
それは,目標を達成するために計画を立て
遂行し,検証し,改善し,
それらのプロセスを何度も繰り返しながら
着実に目標に近づくことができるということです。
いわゆる地頭のよさを持ちながら
この能力をもっていない人はとても少ないように思います。
生まれながらの運動能力が低くても,
毎日長距離を走っているうちに
長距離走のための筋肉が発達するように,
進んで勉強する能力が低くても,
それを訓練により最大限発揮できるようにすることはできます。
その一つが,勉強を嫌いにさせないことです。
親は子供に「勉強しなさい」と叱咤することは
その原因になりえる,とうことではないでしょうか。