中学校に上がるとき,あるいは中3になろうとするとき,
こんな疑問をもつ人がいるかもしれません。
「塾に行かずに上位の公立高校に合格できるのだろうか。」
わたしもその一人でした。
第一子が中学に上がるときに,それはそれは手を尽くして調べ,悩み,周囲の意見を聞いたりしたものでした。
自分の高校受験のときの経験から,塾に行かなくてもいいだろう,という気持ちはありましたが,いざ自分の子供のこととなると,どうしても不安が先立ってしまうものです。
塾には行かない,と決めて3年間長男は塾なしで通しましたが,その間も何度も
「塾に入れたらもっと受験勉強をラクに進められるのではないか」
「塾に入れてしまいたい」
「本当にこれでいいのだろうか」
という不安と闘いました。
公立中学が積極的に進路指導をすることをやめた今,頼るべき権威がいないというのは不安なものです。
また,塾なしで上位の公立高校を受験する人は少なく,情報にも事欠いていたため,孤軍奮闘しているように感じることも多々ありました。
でも,3人の子供たちがとうとう塾に行かずに偏差値65‐70超の高校に合格してとても楽しそうに高校生活を送り,その後も国立大と早慶上理,GMARCHに合格するのを見た今,
「塾に行かずに上位の公立高校に合格できるのだろうか」
という問いに対する答えはもちろん
YES!!
です。
高校受験に塾は必要か?~結論言っちゃいます~
塾に行かずに高校受験に挑むことは可能です。
もちろん,中1,中2の定期テスト対策や,日々の勉強にも,塾の助けは必ずしも必要ではありません。
タイは塾なしで公立トップ校(偏差値70超)に合格しました。
≫タイの高校受験の結果について、詳しくはこちらから
追記:タイは3年後、偏差値67.5の国立大学や早慶大に合格しました。
後述しますが,塾なしで3年間勉強し,希望の高校に入るために試行錯誤する経験は,その後の人生の大きな財産になりますし,力や自信にもなるでしょう。
ただし,塾なしでポテンシャルに見合った高校に合格するには一定の条件があります。
塾に行かないで高校受験で成功する中学生の条件
自分自身または家族に「分析」の能力がある
塾に,長年にわたって培ってきたノウハウがあるのは確かです。
どのようなペースで,いつ,何を勉強すれば最短距離で合格へ導けるかのノウハウです。特に,公立高校受験対策はウン十年前からほぼ変わらない,シンプルなものであるため,多くの子供を指導してきた塾は,最善の方法を知っているのは間違いありません。
通塾している多くの受験生と,塾なしで同じ土俵で戦うには,このノウハウに匹敵する受験対策方法を編み出すための情報収集力と分析力が必要です。
最近は,ネットに塾の先生などの多くの情報も出回っていますので,これらの情報を集めて精査する能力さえあれば,受験までの道筋を立てることができるでしょう。
定期テスト対策はその場しのぎですが,受験対策は俯瞰して物事を見る目が必要です。
学校と同じ進度で定期テスト対策にひたすら追われているようでは,中3の入試直前まで学校と同じペースで勉強することになり,十分な演習を積むことができません。
公立中学では,じゅうぶんな高校入試対策や指導は行われません。いわば,塾ありきなのです。ですから,受験生本人または周りの人(できれば家族)に,分析力のある人が必要です。
学校のほとんどの授業を一度で理解できる理解力
五教科,どの科目も,一度授業を聞けば理解できる理解力が必要です。
そうでなければ,塾に行く方がよいかもしれません。家庭教師や塾講師として多くのお子さんを見てきましたが,理解力の乏しい生徒の場合は,塾で点数が上がる可能性があります。
また,塾に行かない場合,中2の終わりから中3の始めからは受験対策として自力で先取り学習をしなければなりません。理解力が乏しい場合,ここでつまずく可能性が高いのですが,もし中3の始めに限界を感じて塾に入ろうとしても,中3からの入塾を断る集団塾は多いため,入塾が叶わないということもあります。
目安としては,定期テストで国数英はそれほど一生懸命勉強しなくても85点以上はラクに取れる,という人は理解力に問題がないと思われます。公立高校入試であれば,塾なしでも問題ないと思われます。
勉強する習慣
塾なしで高校入試を乗り切るために欠かせないもう一つの条件は,勉強する習慣です。
勉強する習慣は筋肉のようなもので,身につけるには訓練が必要です。
どれほど分析力があって完璧なプランを立てられても,それを実行する習慣がなければ,机上の空論に終わります。
偏差値70以上の公立高校を受験する場合,1点の失点が命取りとなりますから,最後はどれだけ演習をやりこんだかが物を言います。中3の夏休みに1日10時間の勉強ができるようになるには,中1,中2の間の,もっと言えば小学生のうちからの勉強の習慣が重要です。
塾なし高校受験の理由
1.子供の教育費の節約
今や,大学全入時代。一般庶民はお金を貯めようにも,子供たちの教育費に吸い取られて,自分の老後の生活も危うい。子供一人にかかる教育費は1000万なんて試算も・・・!?なんて恐ろしい時代なんでしょう。
大学の学習費(4年間)は,国立大学242.6万円,私立文系で386・4万円,私立理系で519.7万円,私立医科歯科で2423.3万円(文部科学省「平成21年度学生納付金調査」より)かかるという。
そんな時代に公立中学に入学した息子「タイ」。
学力を見る限り,どんなに親の欲目で見ても医学部の2423万の心配はしなくてよさそうだけれど,私立大学の400万ー500万でも我が家にとっては大きな出費!!
中学のうちから塾?
・・・無理無理!!破産してしまう!!
かくして中学入学早々,塾は選択肢から外れました。
2.資源の節約
その1:体力の節約
塾に行かなかったのには,ほかにも理由がありました。
タイは運動系の部活に入り,毎日家に帰ってくるのは18:30。
つい一か月前まで小学生だったタイ。
ごく普通の公立小学校で,ごく普通の小学校生活を送っていました。
16:30には家に帰ってきて,ほんの5分で宿題を済ませてのんびり過ごす。
そんな生活が,中学入学とともに一転し,突如長時間体を動かすようになったため,
体力を激しく消耗しているようでした。
帰ってくると,もうくたくた。
そう,お金に加え,子供の体力も足りませんでした。
同じ部活のお友達の中にはツワモノがいて,
部活から帰ってくるとすぐ塾に出ていく子もいました。
でも,タイにはそんな芸当はできそうにありませんでした。
せっかく行ったとしても,授業中寝るだろう。
その2:時間の節約
もう一つ足りなかったもの,それは時間でした。
「晩ご飯くらい家族で一緒に食べたい」
これはタイ母の切なる願いでした。
となると・・・
18:30ー19:30 晩御飯
19:30ー20:00 シャワー
20:00ー21:00 宿題
宿題が終わった時点ですでに21:00。
塾に通っている世の中学生は一体どうやって時間のやりくりをしているのだろう???
ついぞわからず仕舞でした。
3.ニーズにあった塾が見つからない
塾をまったく検討しなかったわけではありません。
タイが小学校の高学年になったころ,近所の塾をリサーチしました。
ポイントは,単教科の受講が可能な塾。
効率よく学習して時間を節約できるよう,
不得意科目のみ受講できるところを探しました。
・大手塾:一教科のみの受講も可,となっていたが,一日に複数の教科を学習するため,週に複数回,一時間足らずの授業のために塾に出向くことになり,時間のロスが大きく選択肢から外れる。もちろん,授業料も高め。また,3年生になると単教科の受講は実質できないとのことだった。
・小規模塾:5教科受講が基本のため,時間を取られるので選択肢から外れる。
・個別塾:最も効率よく教えてもらえることが予想されるが,授業料が驚くほど高額だった。また,教師はおおむね大学生のアルバイトで,特に訓練を受けているわけでもなさそうだった。教師の教える力が教師個人の能力に大きく左右されそうなので信頼に足りず,こちらも選択肢から外れる。
かくして,中1,中2のうちは塾には行かず,
通信教育と市販のドリルのみで切り抜けることに決定!!
「絶対に塾に行かずに高校受験!!」と最初から決めていたわけではありません。
中1,中2を塾なしで乗り越えられたら,
受験までの最後の1年くらいは塾のお世話になってもよいと考えていました。
実際,そのような人が周りに結構大勢いました。
ところが,中2の後半に差し掛かり塾を探し始めたものの,
上記の塾に行かない3つの理由はどれも解消していない上,
中3になると塾の方でも積極的に生徒を募集しなくなることが分かりました。
塾というのは,先取り学習をするものです。
学校は高校受験直前まで新しい内容を教え続けますが,
塾は早く教え終えて,秋・冬は演習に徹します。
それが塾の最大のメリットなのでしょう。
なのに,中3になってから新しい生徒が入塾すると,
すでに先取り学習した分を補習として個別に教えなければいけません。
それは塾にとってはロスですから,
中3から生徒を積極的に募集しなくなるのでしょう。
かくして,信念をもって「塾には行かない!!」と決めたというよりは,
行くタイミングを失ったという消極的な理由により,
塾に行かずに高校受験に挑むことになった息子。
かと言ってタイが自分で受験勉強のスケジュールを組み立てられるわけもなく・・・。親子の死闘が始まるのでした。
塾なし高校受験のメリット
教育費の節約~コスパ~
なんといっても親にとってはこれ。
中1,2年生の塾代もさることながら,中3生の塾代は
月に5万とか平気でかかったりします。
中3生はそれでなくてもお金がかかります。
・模擬試験代(1回5000円前後)
・受験用問題集代
・受験代(私立は1校あたり2,3万。)
・私立高校に納める費用
このような費用は,塾なしでもかかってくる費用ですが,
塾に通うとなると,これプラス月に5万,夏期講習に10万~20万,
冬期講習にさらに5万~10万,とかかるのです。
高校受験は単なる通過点です。
大学に行くことを考えているならば,
そして予算が限られているのであれば,
お金をかけるときは今ではありません。
プロの受験のテクニックを必要とするのは,
高校受験ではなく大学受験です。
大学受験を塾なしで切り抜けるには,相当の「地頭」が必要でしょう。
高校受験を塾なしで切り抜けるのは,
大学受験ほど難しくはありません。
特に,公立高校受験であれば,上位校でも塾なしで入れる可能性は
決して低くはないのです。
「生きる力」を身につけられる
塾なし高校受験のメリットその1「教育費の節約」はおもに親サイドにとってのメリットでした。
では,受験生本人のメリットは何でしょうか。
真っ先に考えつくことは,
「生きる力を身につけることができる」という点です。
塾に行けば,塾の先生方が試行錯誤して築き上げた
合格への最短ルートがあるでしょう。
生徒は,先生が作り上げた問題集を先生が練り上げたスケジュールで,
先生が考えた通りの方法で進めていくわけです。
15歳と言えば,肉体とともに精神的にもぐんぐんと成長する時期です。
人生で何年も続かないこの貴重な成長期は,
将来生きていく力をつけるうえで非常に役立ちます。
受験は,自分の力不足に気づき,
自分の目標に近づくためにはどうすればよいか考え,計画し,
それを実行することのできる絶好の機会です。
塾なしでこの大仕事を一人で乗り越えようとするならば,
将来社会に出る際に必要となるさまざまな能力を身につけることができるでしょう。
私立大学ではOA入試や推薦入試などによる入学者が実に半数を占めているこの時代。わたしは,そのことが社会人になる準備の機会を
子供たちから奪っているのではないかと思うのです。
社会で役に立つのは,予期せぬさまざまな状況が起きても,
ともかく何とかして目標を達成させるために知恵を凝らし実行できる人でしょう。
受験はその予行演習です。
高校受験を,できるだけ人に頼らずに乗り越えようとする人には,
その後の宝となる資質が身についているでしょう。
「あの学校に行きたい」「そのために自分に何が足りないのか」
「どうすればそれを補えるのか」「毎日何をすればいいのか」
「受験までどのようなスケジュールでのぞめばいいのか」。
こんな疑問について考えている受験生は,すばらしい!!
焦らず,よく考えましょう。
そして,分からなければ人からアドバイスを受け,情報を収集し,
自分で計画し,実行し,計画を見直して修正し,また実行する。
受験は,「自分を正しく評価する力」「目標から逆算する力」
「計画する力」「計画する力」を磨くことのできるチャンスです。
塾に行きながら受験する場合も,ぜひ主体的に受験勉強を行い,
塾に「頼る」のではなく,塾を「活用する」という姿勢で臨むならば,
将来自分の助けとなるさまざまな能力を伸ばすことができるのではないでしょうか。
ですから,将来の日本を担う若者には,
ぜひ塾なしで最初の山を登ってほしいのです。
そして,周りの大人はぜひ若き登山者に協力してあげてほしい,と願ってやみません。
塾なし高校受験のデメリットと対策法
文科省が実施する各調査により通塾率の数字が異なりますが,
ざっくり言って,公立中学3年生の通塾率は全国平均で6割,
首都圏では7割程度です。
タイの周りを見渡しても,半数以上が中学入学と同時に
(あるいは小学校高学年から)塾に通い始め,
中3では塾に通っていない方が珍しいようでした。
特に,トップ校を目指しながら塾に通っていないのはタイくらい。
塾に行かずに受験するというのは少数派だと言えますが,
塾に行かないことのデメリットとは何でしょう?
1.情報量
塾にはこれまでに生身の生徒が蓄積してきた膨大なデータがあります。
偏差値いくつならば○○高校の合格率が何%なのか,
○○高校に合格するには,内申をどのくらい取り,
当日の試験で何点取る必要があるのか。
大手の塾は当然よく知っているでしょうし,
小規模塾も連携してデータを集めたりしているようですので,
情報が豊富なのは間違いありません。
ただ,インターネットの普及により最近は
様々な情報を素人のわたしたちが手に入れることができるようになりました。
例えば,受験生が集まる掲示板や,塾の先生の個人ブログ,
あるいは受験生家族のブログなどの中には,
昔なら塾でしか手に入らなかったような
有益な情報が散りばめられており,
情報量は今や昔ほど大きなデメリットではなくなっているように思います。
加えて,生の数字として活用できるのが,模擬試験の結果。
自分の現在の状況を最も知れるのは模擬試験でしょう。
塾なしで高校受験する受験生は,模擬試験を毎月受けて
情報量の少なさを補うことをお勧めします。
2.分からないところを教えてもらえない
自宅で勉強していて困ることの一つに,分からない問題が出てきたときの問題があります。塾ならば,先生に聞きに行くことができますが,
塾に行っていない場合は何を,あるいは誰を,頼ればよいのでしょう?
塾なし自宅学習の場合,よい教材を選ぶことはとても重要です。よい教材の条件の最たるものは,解説が丁寧だということです。
最も丁寧なものですと,問題集よりも解答集の方が分厚いこともあります。
たくさんある市販の問題集の中からどれを選ぼうかと迷ったら,真っ先に解答のボリュームをチェックするべきです。
実に,自宅学習の教師はこの解答集だと言ってもよいでしょう。
問題を間違えたら,あるいは問題が解けなかったら,まずは解答をじっくりと読みます。よい解答集で,かつ自分の理解力に見合うものであれば,たいがいの問題は解答を読んで解決するでしょう。
≫高校受験におすすめの問題集は「公立高校受験 5教科おすすめ問題集ランキング」でご紹介しています。
市販の問題集以外で最も分厚い解答がついてくるものといえば,通信教育です。解答集は単なる答えの羅列ではなく,それを見れば,復習もできれば要点も抑えられ,さらにありがちな間違いなども指摘してあり,解答集が見事な参考書となっています。
我が家では進研ゼミ「チャレンジ」を中心に塾なし高校受験を進めました。進研ゼミについて,詳しくは「進研ゼミのみでトップ高校に合格できる??」でお話しています。
では,「文章を読むのは苦手」「解答を読んでも全然理解できない」という場合にはどのようなリソースが活用できるでしょうか。
最近の子供たちは,小さなスマホの画面に入りきる短い文章に親しんでおり,長文を読むのが苦手な傾向が顕著だそうです。また,動画には親しみがあるでしょう。
分からない分野があれば,Youtubeなどに無料で教えてくれる動画はたくさんあります。単発で学びたいならばそのような動画を活用してもよいでしょう。
定期的に動画でプロから学びたい,しかも格安で学習したい,という方におすすめなのは,スタディサプリです。
それでも分からない場合はだれに教えを請えばよいのでしょう?
それは,ずばり,中学校の先生です。
・・・当たり前ですね。当たり前ではありますが,休み時間に中学の先生に分からないことを質問しに行ったことがない中学生の方が多いのではないでしょうか。
ぜひ,先生の力を借りましょう。
3.いつ,何を勉強すればよいか分からない
ここが,塾の最大の強みだと言っていいでしょう。
これまでに蓄積されたデータから編み出された,
最も効率のよい問題集を使いながら,
最も効率のよいスケジュールで受験当日にピークを持っていく。
塾はそのプロです。
では,塾に行かない場合,
いつ(when),何(what)を勉強するかを
どのように決定すればよいのでしょうか?
When: 学習スケジュール
中1,中2は,定期テストをペースメーカーに勉強を進めていました。
この2年間と受験期の決定的な違いは,先取り学習が加わる点です。
もちろん,中1,中2で先取学習をしても構いませんし,
実際に塾はそうしているでしょう。
「先んずれば人を制す。」
しかし,家庭で先取学習をするには,
自力で新しい分野の予習を進めなければならないため,
相当の理解力と根気が必要です。
それを,まだ時期的に切羽詰まってもいない,
自己管理能力も未熟な中1,中2生が行うのは至難の業です。
そのような飛びぬけて能力の高い人を除き,
最初の2年間は2年間の内容を定着させることに集中します。
中3の学習スケジュール(タイの場合)
3月ー6月:学校の定期テスト対策+英語と数学の先取り学習
7月ー10月:先取り学習+47都道府県公立高校過去問(1周目)
11月ー12月:私学過去問
1-2月:受験する都道府県の公立高校過去問+47都道府県公立高校過去問(2,3周目)
What: 問題集
上記のスケジュールをご覧になって分かるように,公立高校の受験勉強期にもっとも多用する問題集は,『全国高校入試問題正解』です。これは、47都道府県の公立高校入試の過去問集です。
特にトップ校を狙う受験生でこれを解かない人はいないのではないかと思うくらい、公立高校を第一志望とする受験生への断然おすすめNo.1の問題集といえば、『全国高校入試問題正解』です。
トップ校狙いであればほぼ全教科活用しますが、そうでなくても、社会と理科は解けば解くほど点数が取れるようになる魔法の問題集です。
もちろん、魔法ではありません。からくりはこうです。
私立高校と違って公立高校の試験問題に出せる内容は限られているため,その試験問題は,各都道府県ごとに難易度の差はあるものの似ているためです。
47都道府県の過去問を解いていくうちに,問われるポイントと自分の弱点が見えてきて、最初は50点しか取れなくても、30県くらい解き終わると、かなり取れるようになってきます。
この『全国高校入試問題正解』はどこの塾でも解くように言っているはずですが、ただ解くだけでは効果が上がりません。
使い方は教科ごとに多少異なります。
効果的な使い方についてはこの記事を参照してください☟
4 .モチベーションの維持
塾なし高校受験の4つ目のデメリットは,
「モチベーション維持の難しさ」です。
塾の先生は,ピークを入試当日にうまくもっていこうと,
子供たちをやる気にさせるためにあの手この手を使います。
上手に叱咤激励してくれるでしょう。
また,塾に行けばほかの受験生のがんばる姿を目にしますし,
入試に関する情報交換もするでしょう。
「あの子には負けたくない」
「あいつがんばってるな。俺もやらないと」
といったやる気につながる環境にあります。
また,塾のシステムも,塾内のクラス分けテストや順位の張り出しなど,
モチベーションを高めるツールを駆使したものとなっています。
塾なし受験生にはこういった環境がありません。
学校でもそれほどしゃかりきになって
受験勉強の指導などはしないでしょうから,
モチベーションを維持し,さらに高めるのは至難の業です。
そんな場合に有効なのが,模擬試験です。
全体における自分の位置を確認し,
合格判定などの客観的データを見ると,
子供のモチベーションは上がるでしょう。
しかし,このモチベーションはそう長くは続かないので,
ぜひ毎月模擬試験を受けたいものです。