「受験は『この学校にどうしても入りたい!!』という気持ちにかかっている」という話を聞きます。念ずれば花開く,というわけです。
わたしは以前,この言葉を信じていませんでした。
努力ないところに念じたって花が咲くものか,と思っていました。
努力あるのみ。
最後は望みの強さ
でも,タイの受験を見ていて,望みの強さの大切さを知ることになります。
今日,たまたまタイの入学式の写真が出てきたので,しばらく眺めていました。
思えば,全力を出し切らなければ合格できない入試でした。全合格者の総合点の開きが20点ほどしかない,まったくミスのゆるされない試験でした。合計点が600点に対して20点の中に数百人の受験生がひしめき合うという過酷な状況です。
おまけのこの試験の順序が受験生をさらに試すようなもので,国語,数学・・と始まるのですが,国語と数学は90点以上がほぼ0%,80点以上も国語で3%,数学で1%という実績です。90点以上を取るのが当たり前な高校生たちが軒並み80点未満に甘んじるのです。
緊張しながら問題を解き始めた受験生は,手ごたえのなさに落胆するでしょう。しかも,国語,数学と二科目続けてできないのです。
本当は,みんなできていないのでそれでかまわないのですが,分かっていても精神的なダメージは相当あるでしょう。残りの社会・理科・英語は実は簡単なはずなのに,諦めと落胆と後悔が邪魔して,解ける問題も落としてしまう受験生もいるでしょう。
望みの強さが力を発揮するとき
「この学校にどうしても発揮したい!!」という望みが力を発揮するのは,このときです。みんなが「もうだめだ」というマラソンの最後の坂道で,「諦めない!!」ともうひと奮起して歩を速める機動力になるのです。
5教科,ほぼ5時間にわたる緊張の公立高校入試中,集中力を支えてくれるのがこの「望み」だと思われます。そして,また,その望みがなければつらい受験生活を乗り切るのは難しいでしょう。
「思いの種を蒔き、行動を刈り取り、行動の種を蒔いて習慣を刈り取る。習慣の種を蒔き、人格を刈り取り、人格の種を蒔いて人生を刈り取る。」
思い(望み)は大きな果実の種なのです。