「公立が第一志望だから,私立対策にそれほど力を入れなくても大丈夫」
それは,よくある勘違いの一つではないでしょうか。
この勘違いが後々,公立受験のときに大きな悲劇を生むこともあるのです。
タイは最初から最後まで公立高校が第一志望でした。
タイが,というよりも,親が,といった方がいいかもしれません。
「第一志望」なんていうと格好がいいですが,それ以外に選択肢がなかった,というのが実情です。
タイはそんな両親の意向をいつしか感じ取り,当たり前のように公立高校の中から志望校を選ぶようになりました。
様々な理由で,どうしても公立高校に行ってもらいたい,行きたい,という家庭は少なくないと思います。そんなご家庭では,私立高校にはあまり関心がないかもしれません。
わたしたち親子も最初はそうでした。
ところが,私立の滑り止め校を決めるというときになって,どこからだったか,特待制度のある私立高校があるという情報を得たのです。土地勘のないわたしたちは,さらに遠方にあるその高校のことをよく知りませんでしたが,よくよく調べてみると,学校の成績に応じて,事前に特待での合格をほぼ確約してくれるということ。結局学校の先生を通じて特待合格の確約をいただくことができました。
説明会に行きましたが,非常に熱心に教育に取り組んでいる学校で,万が一公立がだめでも,ここなら安心して任せられる,と思ったものです。
この学校との出会いが,タイのその後の受験期を支えてくれることになります。万が一だめだったとしても,自分を受け入れてくれる学校がある。公立よりもよい教育を受けられる上に授業料免除。それは人生で最大のプレッシャーを受けていた受験生のタイにとって大きな心の支えだったはずです。
また,タイは第一志望に楽して受かるというほどの成績ではなく,当日の試験次第という不確かなものでしたが,この私立のおかげで公立のレベルを一つ落とすという安全策を取る必要もありませんでした。
まだ15歳の受験生たちの入試は,心理面が大きく影響します。「落ちても大丈夫」という心の余裕は,最高のパフォーマンスを引き出す一助となったはずです。
特待に関する情報はなかなか公にされていないことが多く,また毎年状況も変わるため,一般人には分かりにくいのですが,まずは先生に希望を伝えてそれに合った高校を教えてもらうことをお勧めします。