ほとんどの公立高校入試では,内申点と当日の試験の点数の合計で合否が決まります。この内申の中に,各種検定試験の記載があることがよくありますが,内申点を上げるために英検・漢検などの検定試験を受けるべきでしょうか?
中2まで
わたしは,中学2年生までは積極的に検定試験を受けるべきだと考えています。それは,内申を上げるためというよりは,英検なら英語力の底上げと単語や文法の先取り学習,ひいては入試の長文に対応するためです。
ただし,満点合格を目指しましょう。これがキモです。英検は正解率が6割程度で合格してしまうので,実は3分の1を間違えても合格してしまうのです。
「合格してしまう」と書いたのは,正答率6割で合格しても,英検を受ける目的「英語力の底上げ」「単語や文法の先取り学習」「入試の長文への対応力」は達成できないからです。ですから,中2の1月に行われる英検で,英検3級満点合格を目指して勉強しましょう。3級まででしたら,
・英検過去問
・単語暗記
・文法(中2まではすでに学習済みなので,中3のとても薄い問題集を解く。
のみで対応可能です。
また,上位私立校を受験する場合は,単語力が足りませんから,英検準2級,2級を目指すとよいでしょう。
2年生までは比較的時間がありますから,余裕のある人はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
≫英検3級はいつ受けるべきか?
中3の場合
受験期は,それまでとは検定試験に対する態度が少し異なります。
おそらく,中3で検定試験を受ける目的は,内申点アップのためだと思われます。学校によっては,英検の級を持っていると,内申点が何点か上がることがあります。
もちろん,勉強せずに検定試験に合格できるならば,あるいは少し勉強して合格できる見込みがあるならば,ぜひ受験して内申点を少しでも上げておきましょう。その場合は,ぜひ中3のはじめに受けておくとよいでしょう。後半は受験勉強で手一杯になることが予想されます。
しかし,過去問を解いてみて合格点にほど遠い場合,内申点を上げるためにその検定試験に時間を費やすかどうかは,その検定試験の内申換算点の,入試総合点に対する比率にもよります。
例えば,英検準2級で内申点が2点上がるとして,入試の合計点が600点だとすると,英検でアップする点数は全体の0.3%です。その2点に費やす時間と労力をほかの受験勉強にまわした方がよい場合もあるでしょう。
しかし,各種検定がもっと内申において重みをもつ学校もあるでしょう。その場合は受験勉強と並行して勉強した方がよいこともありますので,志望する学校の,内申の取り扱いについてよく調べておくことをお勧めします。