いよいよ受験シーズン真っ盛りですね。
近所で制服の中学生が平日の日中に道を歩いているのを見かけると,「願書を出してきたのかな」「試験当日なんだな」とか「発表の日だな。どうだったのかな」なんて思いながら,一人一人がいい道に進めるようにと願います。
受験生当人は,まじかに迫る入試にドキドキしながら,やることがまだ山積みになっているように感じて焦ったり,反対に,今更何をしたらいいのかわからなくなったりしているかもしれません。
入試直前期,どのように過ごすとよいのでしょうか。
新しい問題集に手を出さない
この時期に本屋さんにずらりと並ぶ受験対策用問題集を見て,「この問題集をやっとけばよかった」「これをやらなきゃ」なんて思うかもしれません。「中学3年間の内容を2週間で完璧にするドリル」なんて書いてあると,不安になるかもしれません。
でも,中学3年間の内容を短期間に完璧にするドリルなんて存在しません。あるならもっと早くから大勢使っていたでしょう。新しい問題集に手を出すことに潜む危険は,精神的な点と実用的な点があります。
精神的な危険性としては,新しい問題集で分からない問題を直前に発見することにより,「自分はだめかも」といったネガティブな気持ちが生じることが挙げられます。受験は1点,2点が勝負を分けます。その1点,2点は気持ちの持ちようによって簡単に上下します。自信のない状態で試験を受ければ,ミスが増え,焦り,さらにミスが増え,諦めてしまう,という悪循環に陥ります。
最高の問題集は,それまでに解いてきた問題集
実用的なデメリットとして,最高の問題集をする時間がなくなってしまう,ということです。もっとよい問題集とはどんな問題集でしょうか?
それは,これまでずっと使ってきた問題集です。それは,人により,学校ごとの過去問であったり,47都道府県公立高校問題集であったり,あるいは学校のワークかもしれません。すでに2回,3回まわしている問題集の,最後まで間違えた問題ばかりを片っ端から解いていき,間違えたら付箋をはり,付箋が取れるまで何度も解きなおして,その問題集に含まれている問題はすべて解ける状態にしておきます。
タイは,最後の一か月はひたすら47都道府県公立高校問題集の間違えた問題ばかり解きまくり,できない問題をつぶしていきました。加えて,これまでに間違えた模擬試験の問題も解きまくり,できない問題をなくしました。
新しい問題集に手を出さない,と言いましたが,どうしても弱いと感じる狭い分野があれば,そこばかり集中的に勉強して自信を高めておくことはよいでしょう。タイは,計算ミスが多いことが失点の大きな原因の一つだったため,朝起きるとまず20分ほどかけて,全国公立高校の数学の過去問の計算の部分だけを解き,ミス撲滅を図っていました。それ以外はすべてそれまでに使っていた問題集の解きなおしばかりです。
問題集の解きっぱなしは,流しっぱなしの水のようなものです。知識を蓄えたいならば,しっかり解きなおしをして水がめにしっかりと水をためましょう。