我が家の3人の子供たちは根っからの文系。数学では生きていけそうもないので,英語はがんばってほしいところです。
そんな3人は,常に定期テストで90点は取れていました。公立中学校の英語の定期テストで90点を取るのは,それほど難しいことではありません。ちょっとの努力の積み重ねで到達できる目標です。
さて,そのちょっとの努力とは――。
普段の英語の勉強法
昔は,英語の授業といえば,必ずノートの左のページに教科書の本文を写し,右のページにその対訳を書いていました。ところが,最近は中学ではこの方法をあまり取らないようです。わが家の子供たちは1人もこれをするように指導されていませんでした。
でも,長男の通う高校(公立のトップ校)では,この方法で予習してくるよう指導されています。そして,わたしもこの「見開き対訳学習」に勝る英語の勉強方法を思いつきません。
見開き対訳学習法~音読のすすめ~
本文を書き写す
では,具体的な勉強方法をご紹介します。まず,ノートを用意します。左側のページに教科書の本文を写します。英語用の4線ノートではない,普通の大学ノートを使う場合には,一行ずつ飛ばして本文を写してください。大切なところに線を引いたり,先生の説明を書き込んだりするためです。
写す際に必ずするとよいことがあります。それは,音読をしながら写すということです。これは,本文を写すときだけではなく,問題集を解くときも,答え合わせをするときも,英語を扱うときには常に音読をするようお勧めします。すると,聴覚からも英語の定着が図れますし,将来,「英語は読めるけど話せない」なんてことにもなりません。
常に口を使うことが英語学習の鉄則です。音読をするということは,英語を頭だけでなく体で「体得」するということですから,文法を忘れてしまっても,「なんだかこうだった気がする」という勘が働きます。この「勘」が非常に大切です。
音読をしながら本文を写していくことの利点の一つに,分からない発音をあぶりだせる,ということがあります。黙って本文とにらめっこをしているだけでは分かりませんが,音読をしていくと,発音が分からないことは困ることだからです。そのような単語は意味だけでなく,必ず発音も調べておきましょう。
日本語訳を書く
本文を書き写したら,次は右側のページに日本語訳を書きます。訳すために必要な情報は,単語の意味と文法の知識です。分からない単語があれば意味を調べ,左の本文のその単語の下に書きこんでおきましょう。
単語の意味が分かったら,自分が知っている知識を総動員して訳します。まず,主語と動詞を見つけます。もしこの勉強法を予習としてするのなら,訳が多少分からなくても全然かまいません。分からない本文に線を引いておきましょう。どこに集中して授業を受ければよいのか分かります。復習として対訳をしているのに意味が分からない,という場合は,すぐに友達や先生に聞きましょう。
先生に聞くのが恥ずかしい,単語をいちち調べるのが面倒くさい,という人のために,おすすめの教材があります。
CDを聴きながら音読する
最後にこのひと手間を加えられるかどうかが,将来を大きく左右する,と言っても過言ではないでしょう。一通り訳したあなたは,英文の意味が分かったはずです。しかし,学んだ英文を「身につける」「体得」してさらに応用できるようにするためには,英文を聴きながら,シャドイング(聞こえてきた英文を少し遅れて音読する)必要があります。
1回目は,教科書を読みながらシャドイングします。簡単にできた人は,2回目は教科書を見ないでシャドイングしてみましょう。これを何度も繰り返すと,後は暗唱できるようになると思います。ここが目標地点です。普段からこのひと手間を加えている人は,定期テストや高校入試の前にことさらリスニング対策をする必要はありません。公立高校入試リスニング程度のレベルなら,すべて聴けるようになっているはずです。
学校のワーク
対訳をやってもなお時間がある!英語が好き!という人は,ぜひ学校のワークを進めておきましょう。予習をする必要はありません。今日までに学んだ箇所を解きましょう。たくさん解く必要はありません。1日に1ページも解けば十分でしょう。英語は週に1度,2時間勉強するよりも,毎日コツコツと20分ずつ学ぶ方が向いている教科です。
ワークを解くときにも,必ず音読します。問題文を読むときも,問いに答えるときにも,ともかく,音読,音読,音読!!!
定期テスト前の勉強法
教科書本文の丸暗記
普段からこつこつ作ってきた,「見開き対訳ノート」を使って,教科書本文を丸暗記します。対訳を見ないでも暗唱できればそれでも構いませんが,学年が上がってくると本文が長くなってくるので,和訳をヒントに英語を丸暗記しましょう。
このとき,もちろん音読をしながら暗記しますが,大切なのは「書ける」ことです。英語のテストでは,綴りが大切です。発音できていても,つづりが間違っていれば,テストでは得点することができません。ですから,必ず全文見ずに英文を「書ける」ようにしましょう。何度も何度も繰り返し音読しつつ書いていると,覚えるものです。
これさえできれば,中学の英語はほとんどマスターできるといっても過言ではありません。最初は文も短いですから,できるだけ早くからこの方法に慣れておくとよいでしょう。
学校のワーク
対訳を見ながら本文を丸暗記し,それを書ければ,定期テストでは6,7割は確実に得点できるはずです。あとは,文法の問題に慣れるための訓練を加えましょう。
まずは,学校で配布されるワーク。教科書準拠のワークですので,実力テストや入試対策には不向きですが,教科書準拠の定期テストには向いています。ですから,普段からこれをやっていない人は,定期テスト前にまとめて解きましょう。
さて,問題集には得点に結びつく使い方というものがあります。
≫必ず点数アップする問題集の使い方
やっつけ仕事にせず,しっかりと解きましょう。
市販のワーク
學校のワークでは問題数が足りない場合,つまり,本文を暗記して書けるようになり,学校のワークも3周したのに90点以上が取れない場合は,市販のワークを足すとよいでしょう。お勧めのワークをご紹介します。
どの問題集を使うにせよ,必ず最低3周まわしましょう。1回解いただけの問題集など,解かなかったのと同じです。
これだけやって90点以上取れないということは,まずありません。しっかりと対策して,自信をもって試験に臨みましょう。
ちなみに,これらを全部中途半端にやるくらいなら,そのうちの一つをしっかりと取り組んだ方が効果はあるでしょう。学校のワークしかやる時間がないならば,学校のワークを三周まわしましょう。それでも8割くらいは取れるでしょう。