英語を教えている中2の生徒が,来週学校で単語の100問テストがあるということで,一通りテストしてみました。
すると,正解率が半分くらいの生徒がいました。まだ教え始めた生徒で,単語の暗記が苦手,と言っていたので,どうすれば単語を暗記できるのだろうと考えてみました。
単語を制するものは英語を制する
単語の暗記は楽しい作業とは言えませんが,そもそもなぜ単語を覚えなければいけないのでしょうか。
息子のタイが高校で通った塾は,1学年150名ほどの塾生の中から毎年約100名の国立・早慶合格者を出す中規模の個人塾なのでした。
英単語のテストは高校1年生から始まり,600語,800語,1000語・・・と1800語まで段階的に増やしながらテストを課します。
注目すべきなのは,高3のセンター試験直前の最後の単語の総まとめテストの塾内順位は,そのまま英語のセンター試験の点数の順位と同じだった,ということです。
つまり,センター試験の点数を上げたいなら,何よりもまず単語をしっかり覚えなさい,ということです。そしてこれは,センターだけでなくほかの英語の試験にも当てはまることです。
単語の組み合わせが文章を作り,文章の組み合わせが長文を構成するわけですから,当然といえば当然です。長文を理解したければ,パーツの意味を理解しなければなりません。逆に言えば,パーツを理解すれば,長文を理解するのに大いに役立ちます。
単語暗記の方法
意味は一つだけ覚える
どんな単語にも,複数の意味があるものです。単語帳にいくつも意味が書いてあると,あれもこれも大切な気がして,覚えなければいけないような気がしてくるかもしれません。
でも,大切なのは最も使われている訳をまず一つ覚えることです。それは,英単語帳の最初に載っている訳です。
例えば,”act”という単語を覚えるとします。
単語帳にはこのような意味が出てくるはずです:
①行為,活動,言動
②布告,法令,決議
③見せかけ
覚えるのは,①の最初の「行為」だけで構いません。
もちろん,②や③,あるいはそれにも入っていない「ショーの出し物」なんて意味も実際には使われるわけですが,一つの単語に対して4つも意味を覚えるとなると,暗記するべき単語が1000語から4000語になってしまいます。
まずは,一つの単語に一つの意味。これだけでよしと割り切って覚えます。
1単語1秒で意味を言えるようになる
さて,単語を覚えようとするときに,「うーん,ちょっと待って!」といって考え込み,意味をひねりだす生徒がいます。
でも,単語は1秒で意味を言えなければ,暗記できていないものとしてチェックを入れなければいけません。
なぜなら,上述のように,単語が文を構成し,文が長文を構成します。うーんとうなってようやく意味が分かる単語が一文に二つも三つもあり,そんな文が30も合わさって出来上がる長文には,60も90もの単語で「うーん」と止まり,時間がかかり,前に進まず,全体の意味も分からない,ということが発生するわけです。
「単語を覚える」とは,それが文の中ででてきたときにスラスラを読んで意味が理解でき,そこで流れが止まらなくなる,という状態を言います。
1単語1秒ならば,200単語の意味を言っても,5分とかからないわけですから,通学途中の隙間時間で十分復習することができます。これを習慣にできると,以前覚えた単語を定着させることができるでしょう。
立って覚える!?
覚えるときに,どのような体勢覚えていますか?
ある研究では,座って暗記をしたグループよりも,立って暗記をしたグループの方がよく覚えられた,という結果があるそうです。
立って,あるいは歩きながら覚えると覚えやすいそうですから,ほかの勉強で座っていることに疲れたら,気分転換に部屋の中を歩きながら単語暗記をしてもいいかもしれません。
あるいは,通学中は立ってるか歩いているかのどちらかが多いと思いますので,単語暗記には絶好の時間と言えます。
声に出して単語を覚える
単語を覚える際には,音読しながら覚えると,記憶に残る確率が格段に上がります。目で見て,耳で聞いて,口で発音して五感をフル活用することで,見ていただけでは得られない記憶の効果が生まれます。
中学生の英単語暗記
英単語のつづりを覚える
大学入試のために英単語を覚える場合,ほとんどは英語を書けるようになる必要はありません。英単語から日本語にできれば事足りるでしょう。
ただし,中学生の場合には,ほとんどの単語を書けるようになる必要があります。学校のテストや高校入試でつづりを問われることが多いですし,中学で習う単語のつづりを覚えておけば,その後学ぶ単語のつづりも,おおよその予想ができるようになるためです。
暗記する単語数
高校受験に必要な英単語数とは?
我が家の子どもたちは,『中学英単語1600』を使って単語を覚えました。
このうち,公立高校で必要とされている単語は1200ほどです。それだけ覚えておけば,公立高校入試で単語の意味が分からなくて困ることはまずありません。実際,タイはこれだけで実際の公立高校入試でほぼ満点を取っています。
『中学英単語1600』の使いやすいところは,単語がレベル別に分かれていて,「中学基本編」で”school”を筆頭にごく簡単な単語が集められていて,次に「高校入試篇」,最後に「難関高校入試篇」と続きます。「難関高校入試用」には350ほどの単語が載っています。
また,「月」「曜日」「数字・序数」「季節」「色」「教科」「家族」「体の部位」「乗り物」「生き物」「スポーツ」「形」「単位」など,テーマごとに単語がまとめられているページもあり,高校入試で狙われやすい単語を網羅することができます。
文字も大きく,とっつきやすいので,タイのときにたまたま手に取って気に入って買って以来,ほかの子供たちにも生徒さんにもお勧めしています。
いつから単語を暗記すればよい?
今からです。
単語を一度に覚えるのは,気の遠くなるような,退屈な作業です。出会ったときに一つ一つ覚えていくのが一番ラクな方法でしょう。
特に,つづりを覚えるのが遅れると,英語事態を嫌いになってしまいますから,「英語力=単語力」ということを肝に銘じて,少しずつ覚えていくといいと思います。
基本的には定期テストや単語テストのたびに覚えていけば,公立高校入試で困ることはないはずですが,前に習った単語を忘れることもあると思いますので,先ほどご紹介したような単語帳を使って総復習をするとよいと思います。
英単語をコツコツ覚えてきた生徒は,単語の総復習は中3の夏からで問題ないと思いますが,苦手な生徒は,今から始めることをお勧めします。
高校生の英単語暗記
さて,高校生の場合は,すべての英単語のつづりを覚える必要はありませんが,意味を覚える必要がある単語が格段に増えます。
タイの塾では,長年にわたって『システム英単語』という単語帳を使ってきました。タイも,単語帳がボロボロになるまで毎日単語暗記に時間をかけて,国立大と早慶に合格しました。
『システム英単語』の収録単語数は2000です。
タイはこれに加えて,『システム英単語 プレミアム』も使っていました。
単語力=英語力。
英語力を上げたいならばまず何より英単語を覚えましょう!!