高校受験を目指す中学生にとって「内申」は重要なキーワードです。女子の中には早々とこのことを認識して,まじめに課題提出に取り組んだり,クラス委員を引き受けたりする子もいるそうです。
我が家の息子はそんな女子を見て,「あいつら,姑息な手段を使って内申点あげようとしてる」とばかにしていました。ーー中2までは。
ところが,中3になると,さすがの男子も気づきます。「やべっ!俺,内申足りねぇー・・・。」そんなことにならないよう,中学に入ったら,いえ,入る前からできるだけ早くこの内申の制度について知っておきましょう。
内申って何?
受験をする際,受験生は入学試験を受けます。大学などではその入試の点数を高い順に並べて,高い方から一定数の受験者に合格を出します。
しかし,高校,特に公立入試の場合には,合否の判断材料として,入学試験のほかに,中学でのどのように学習等で成果を上げてきたかも考慮されます。それを知る手がかりとなるのが,中学が書く内申書なのです。
- 内申書の内容
- 入学試験の点数
の二つを使って合否の判断を行うのです。
では,どのような内容が内申書に含まれるのでしょうか。
内申書は大きく分けて二つの内容で構成されています:
- 内申点
- 特別活動についての記録
内申点
平たく言えば,通信簿の点数です。「数学,3だった~!!」っていうあれですね。ほとんどの都道府県では絶対評価の5段階評価で行われます。
絶対評価
絶対評価とは,ほかの生徒との比較により算出される,全体の中の自分の「位置」ではなく,生徒本人の習熟度を評価する方法です。昔は前者の相対評価が主流でしたから,クラスの中で5を取れるのは全体の何パーセント,と決まっていて,テストで90点をとっても,100点を取る生徒がたくさんいれば,5は取れないことになっていました。
絶対評価では,自分が一定の習熟度を満たしていれば,ほかの人の点数とはかかわらずよい評価を受けることができます。
何年生の成績が対象となるか
気になるのは,何年生の成績が内申に盛り込まれるのか,ということですが,全国の都道府県を調べてみた結果,現在は中学3年間の成績を盛り込むのが主流のようです。
中2も終わり,「さあ,受験がんばるぞ!!」とやる気になったときに,自分の都道府県の内申事情を知り,「えーーーっ!?中1と中2の成績も関係あるのかよ!!」と愕然としないよう,しっかりと調べておきましょう。中3の成績を2倍換算する都道府県もありますが,全学年の成績を等しく扱う都道府県もあります。
教科ごとの配点比率
9教科,等しく扱う都道府県もありますが,主要5教科(国数英理社)は入学試験で扱うのでそれ以外の実技4教科を加重換算する都道府県もあります。自分の都道府県でどのような扱いになっているか,確認しておきましょう。
>>【高校受験】中学の内申って何年生の成績が反映されるの!?~都道府県別の内申事情まとめ~
特別活動についての記録
内申書に含まれるもう一つの情報は,その他の優れた功績です。例えば,部活動で優れた成績を納めた,英検や漢検など各種検定を取った,生徒会の会長を務めた・・・などです。これらを点数化して合否判断材料の一部とする都道府県もありますし,点数化まではしないけれども,入試のボーダーライン付近で,「さて,どっちの子を取る!?」というときの判断材料にすることもあります。
内申点はどのように決まるか?
さて,内申書の中で最も重要視される内申点はどのように決まるのでしょうか。すでに中学に通っている方は,ぜひ通知表を見てみてください。通知表の5段階評価と並んで,「関心・意欲・態度」「知識・理解」「技能」「思考・判断・表現」の3段階評価が含まれているはずです。
この4つをざっくりと二つに分けると,
- 「関心・意欲・態度」
- 「知識・理解」「技能」「思考・判断・表現」
となります。2は,大方定期テストで評価が決まるのに対し,1は,授業中積極的に発言をしたか,グループ課題にまじめに取り組んだか,課題はていねい仕上げて期日までに提出したか,など,授業への取り組み方に対する評価です。
テストで90点以上取ったのに5がもらえなかったという人は,ぜひ「関心・意欲・態度」の評価を見てください。内申点を上げるヒントが見えてくるでしょう。内申点はテストの点数がすべてではないのです。テストがよくても,課題を提出せずに授業もまじめに取り組まなければ5が取れないこともありますし,反対にテストで点数が悪くても,真摯に授業に取り組めば,内申点を上げることができるのです。