わたしが教えている小学生の生徒さんのお母さんから,「最近全体的に成績が上がって,びっくりしています」と連絡をいただきました。
教えているのは二教科合わせて一週間に90分のみです。教えている二教科については,「これまで学期末テストで100点を取れなかったのに,100点が取れた」「悪くても80点以上」などと,成績向上のご報告をいただいていて,これまで勉強してこなかったお子さんだと聞いているので,納得の結果です。
面白いのは,その二教科以外の学期末テストの点数も軒並み上がっている,という報告です。
どうしてそのようなことを考えてみて,一つの仮説を立ててみました。
まず,週に90分という短い時間ではありますが,二教科の予習をしています。すると,学校のこの二教科の授業が格段に分かるようになり,以前よりもリラックスして授業を聞けるようになっているのではないかと思います。
小学6年生といえば,一日に6時間授業という日もあります。一日中,どの授業も集中して授業を聞くというのは,相当集中力のあるお子さんでも大変なエネルギーを使うことと思います。
それで,苦手な教科,一日の終わりで疲れているときに受ける授業などは,どうしても集中力が途切れてしまい,理解度が落ちるということが考えられます。
ところが,主要5教科のうち,2教科で予習を進めていて,授業にそれほどの集中力を必要としない場合,何が起きるか考えてみました。
きっと,その2教科の授業は,すでに予習している内容の復習としてしっかり機能するでしょうし,その2教科にそれほどエネルギーを使わなくてもよいため,ほかの3教科に体力・知力を温存しておいて,集中的に注力することができるため,全体として勉強の効率が上がり,5教科全体の成績が向上しているのではないか,と思ったのです。
自分の子供や,塾で教えているお子さんを見ていると,上位校に合格するお子さんというのは,必ず得意科目があります。トップ校なら2,3教科,得意科目があり,それほどしゃかりきになって努力しなくても安定的に9割の得点が見込める,というのが特徴です。
一つでも二つでもそういう得意科目があることで,授業やテスト対策や受験対策では,ほかの生徒が5教科すべてに注力しなければならないところを,3教科または4教科のみに力を割けばよいことになり,これは相当なアドバンテージになります。
何よりも大切にしたいのが,学校の授業です。一日の大半を占める学校の授業をいかに効果的なものとできるかに,勉強効率の鍵があるように感じています。
学校の授業をそれほどの苦も無く一度で理解できる生徒は復習をしっかりと行い,一度で理解するのが難しい場合には,軽く予習しておくと,分からないところだけしっかり聞けばよいので,エネルギーの消耗を抑えられます。
予習の方法としては,市販の参考書でも構いませんし,進研ゼミの教材はとても解説が詳しく,分かりやすかったので,我が家はこれを使用していました。
また,最近は教育動画も充実していますので,それを利用してもいいと思います。我が家も,スタディサプリにお世話になっていたことがありました。どれだけ動画を見ても月額2000円ちょっとで,1万問以上の演習も解き放題。こんなに安くていいのかと驚きますが,塾なし族にとっては大変ありがたいツールが増えてきています。