いよいよ入試が目前に迫ってきました。
「この時期,何をしたらいいのだろう??」と急に不安にかられることがあるかもしれません。
この時期どのような入試対策をしているべきなのでしょうか?

模擬試験で5割に達していない教科
最近受けた模試の得点が5割に達していない場合,基礎力が不足していますので,新しい問題集に手を出さず,これまで使ってきた問題集に徹底的に取り組むことが効果的です。
そもそもこれまで勉強してこなかったので問題集がない,という場合は,学校で配布されたワークでかまいません。特に,理科と社会は学校ワークに徹底的に取り組めば,7割は得点できるようになりますから,泥臭く「解いて,解いて,解きまくる」ことが大切です。
このとき,得意な問題や分野ばかり解いていては意味がありません。むしろ,自分の不得意なところをあぶりだし,それを徹底的にやっつけて「できる問題」「得意な分野」に変えて行くときに,得点が上がります。
とはいえ,もう12月で,この段階でまだ5割の得点ですと,今から問題集全部を解き始めて入試に間に合うか分からないので,やった部分は必ず得点できる,という状態を目指すため,工夫して取り組みます。
解き直しのタイミング
「できない問題」を「できる」に変えるためには,必ず「解き直し」が必要です。
問題集を解いたら,1ページ解くたびに答え合わせをして,間違えた問題に印をつけます。その後,暗記科目ならば「その場で」暗記してしまい,思考を必要とするものならば,「なぜ」間違えたのかを理解するまで説明を読み込んだり,教科書や参考書を読み直したりします。理解したら,終わりではありません。「分かった」と思っても,問題を実際に解いてみたらやっぱり解けない,ということはあるのです。
「分かった」と思ったら,答えを見ずにもう一度解いてみましょう。
「答え合わせ」というのは,ここまですべてを含みます。ただ正解と自分の解答を見比べて,〇×をつけるだけではありません。また,単に赤ペンで正解を書き写すことでもありません。これでやった気になっていても,何も変わらないのです。
模試の得点が5割を割り込んでいる場合,この一連の作業をほとんどやったことがないのではないかと思います。自分の間違いを向きあうのは楽しい作業ではないかもしれませんが,得点を上げるためには避けて通れない作業です。もっと言えば,ここに伸びしろがあるわけなので,問題を間違えるたびに,「伸びしろ発見!」と喜びましょう(笑)
さて,上述のように,答え合わせのときに一度解き直しをしますが,それで終わりではありません。人間は9割のことをすぐに忘れてしまう生き物です。
繰り返しが大切です。
1日の勉強の一番最後に,その日間違えた問題をすべて解き直すことが重要です。さらに,翌日の勉強の最初に,今日間違えた問題の解き直しからスタートすれば,完璧です。あるいは,週末にはその1週間に間違えた問題の解き直しからスタートすれば,忘れていた9割の記憶を取り戻すこともできるでしょう。
得点を上げたいなら,ともかく「解き直し」!!!
これを頭にたたきこみましょう。
難易度の高い問題に手を出さない
時は年末。2年半勉強してきて得点5割ですから,これから入試までに得点をどんなに上げられるとしても7割,8割くらいまで上げられれば上出来です。
ということは,難関校の合否を分けるような,難易度の高い問題に手を出す必要はありません。むしろ,そのような問題に手を出して,簡単な問題で失点することを避けるため,あえて手を出してはなりません。
解き直しの際,説明を読んで1分考えても分からなければ,その問題を深追いしないことをおすすめします。
これは,模試で5割得点者の入試直前期に特化したおすすめです。もちろん,中1,中2,中3の前半は,間違えたら,とことん考え,調べ,人に聞き,理解するために努力が必要です。
ともかく残り時間が少ないため,最も効率よく入試で「得点」できる方法をご提案しているのすぎません。
模擬試験の得点が6-8割の教科
6‐8割の得点にとどまっているという場合,まだ基本がかたまっていないことが考えられます。国数英の3教科については,これまで使ってきた問題集の,間違えた問題と,まだ解いていない問題だけを解き直しましょう。
また,理社は,すっかり忘れてしまっているという人もいるでしょうから,すべての問題を一通り解き直すことをおすすめします。入試までに間に合わないかもしれませんので,上述の「解き直しのタイミング」を参考に,短期間で何度も解き直しながら進めることをおすすめします。
また,最近の内容ほど記憶にあると思われますので,中1の内容から,つまり古い順に固めていくことをお薦めします。
模擬試験の得点が8割以上の教科
8割以上得点している場合,基礎力はほぼ固まっているでしょう。
応用力をつけるため,また,まだ固まっていないわずかな部分を特定するために有効な方法は,模擬試験の解き直しと,過去問に取り組むことです。
特に,公立高校入試を志望する受験生は,『全国高校入試問題正解』を解くことが最も効果的です。他県の公立高校入試で弱点を特定し,それを補ったら,仕上げは自分の都道府県の過去問を解きます。
伸びしろが少ないため,ここから5点,10点と上げるのは至難の業ですが,『全国高校入試問題正解』と過去問がきっと力になるでしょう。