通塾のメリット・デメリット

末っ子,塾へ通い始める。

塾なしで10年やってきた我が家の末っ子が,初めて塾に通い始めました。
さすが,大手塾。塾なしではできないようなサービスも確かにあります。
でも,恐れていた通塾のデメリットはやはり実在していました。
通ってみてわかった塾のメリット・デメリットについて書いてみたいと思います。

塾のメリット

勉強時間の確保

やはり,塾の最大のメリットは勉強時間の確保につきます。
学力向上の(勝手に作った)公式は,

勉強時間×勉強の質×本人の能力=学力の向上の程度

だと思っているのですが,そのうち,手っ取り早く変えられるのが勉強時間です。

そして,塾へ行って成績が上がった,という人は,多くの場合,この「勉強時間」が単純に長くなったことが理由となっています。

塾に通って勉強の質が上がるかどうかは塾の質に左右されますが,勉強時間を長くすることについては,どんな塾でもできます。

実際,定期テストの成績を上げようとする地域の学習塾でまずやることは,定期テスト前数週間,毎日生徒を塾に来させて,学校ワークを繰り返しやらせる,ということです。それまで勉強時間が足りなかった生徒の場合,これをやれば,一定の学習時間が確保され,当然定期テストの点数は上がります。

我が家の末っ子は,学校の宿題以外,テスト前2週間しか勉強しないタイプでしたが,週に1度の塾の授業ではみっちり勉強しますし,かなりの課題を出してくれるので,その勉強時間も追加されます。おかげで,今回の定期テストでは,いつものように数学にほとんど時間を取られる,ということがありませんでした。

これが我が家の通塾の第一の目的だったので,それは果たされていることが確認されました。

模試・塾内テスト

末っ子が通っているのは大手塾です。この県では最大です。

大手塾には,スケールメリットがいくつかあると感じていますが,その一つは,塾内テストです。

2か月に一度,塾内テストが行われ,偏差値が分かりますので,自分がどんな位置にいるかが分かります。

この辺りでは,中学生用の私的な模擬試験は中3の6月からしか始まらないため,それまでははっきりした自分の立ち位置がよく分かりません。

ですから,この塾内テストはメリットの一つだと思います。

モチベーションアップ

末っ子を塾に通わせた目的その⑵がモチベーションの向上のためです。

家で学習していると,上位校を目指す中学生がどれほど勉強しているのかが分かりません。また,受験に対する心構えや対策方法などについて話してくれる大人は,親しかいません。

親子関係が難しいこの時期,親の言うことを素直に聞いて勉強するようなお子さんはとても珍しいでしょう。

そこで,別の大人がこの役割を担ってくれる場が塾だと言えます。

末っ子も,塾に通ってみて,「先生が言うことは,だいたいお母さんが何度も言ってた」と言っています。わたしが言ってもなかなか聞かなかったを,別の大人が言ってくださることで,ようやく真剣に取り合うことができるようです。

塾のデメリット

反対に,塾にはデメリットもあります。「塾のメリット」と背中合わせのデメリットが多いのですが。

勉強の質を自力で向上させることを怠る

塾のメリットとして,勉強時間が増すことを挙げました。
これはある人によってはいいことなのですが,別の人にとっては必ずしもよい事ばかりとは言えません。

どういう人に当てはまるかといえば,自分で勉強の質を高める力を持っているのに,塾の方針に従って大量の勉強をせざるをえないために,学習の質を高める余裕がなくなってしまう人です。

勉強時間×勉強の質×本人の能力=学力の向上の程度

勉強時間にばかり気を取られて,がむしゃらに量ばかり増やすと,自分に適した勉強方法で勉強の質を高め,無駄を省いて効率の良い勉強をすることができなくなります。

塾は,特に5教科を見てくれる塾は,5教科を均等に教えます。数学と英語に力を入れることぐらいはするでしょうが,例えば,英語がとても得意で数学が苦手な生徒にも,数学が得意で英語がまったく苦手な生徒にも,同じ時間を割いて教え,同じだけの宿題を出します。

それは集団塾のことで,個別塾はそうではないだろうと思われるかもしれません。でも,個別塾というのは,教えるのが一対一である,ということ以外,やっていることは集団塾と変わりません。

同じ進度で進めていかなければ学習範囲を終えられませんから,基本的には同じペースで淡々と進みます。

塾なしの良さは,オーダーメイドのスケジュールで学習を進められることです。得意な教科や単元には時間をかけず,練習問題もスキップし,不得意な教科や単元にじっくりと取り組む。なんなら小学生の学習内容まで遡って復習する。

塾に通っていると,塾の課題をこなすことで満足してしまい,自分に合わせた効率の良い勉強方法を開拓するという,社会に出て最も大切なスキルを子供から奪ってしまうように思います。

時間の調整が効かない

塾のメリットのところで,塾内テストを二カ月に一度やることを挙げました。

ところが,これには実はデメリットもついてきました。
今回の塾内テストは,学校の定期テスト前日と3日前に行われたため,大切な定期テスト直前の時間をごっそり塾内テストに奪われました。

まさに恐れていたことでした。

長く通塾すれば,こういうスケジュールにも慣れるのかもしれませんが,テスト前2週間しか勉強しない末っ子のスタイルでは,直前の二日間を塾に,しかもただのテストに取られるのは,さらなる勉強不足を招きます。

中3のため,定期テストにそれほど力を入れている場合でもないのでよしとしますが,やはり塾本位のスケジュールを押し付けられるのは,早くも面倒な気がし始めています。

塾の思惑とのすれちがい

塾のデメリットを最小限にとどめ,塾のメリットだけを享受しようと,末っ子は原則5教科受講の大手塾で,1教科のみお世話になっています。

システムとしては可能なのですが,実際にそのようなことをしている生徒は少ないようで,先生からお電話をいただいたときに,「今後は5教科受講に変えて行かれるといいのでは・・・」とご提案いただいています。

夏期講習の前に面談を行うことになっていて,おそらくそこでも同じことを薦められると思うので,どれだけ屈せずに続けられるのか,やってみたいと思います(;^_^A

末っ子は,夏休みにはまだ部活が続いていますし,何よりこんなにごっそり時間を取れるときに,それこそオーダーメイドではない塾のカリキュラムで勉強することだけは避けたいと思っているのですが,果たしてそれができるのかどうか・・・。