受験校選び~ギリギリで入ってもついていける?~

雑記

いよいよ「志望校」の中から「受験校」を選ぶ時期になってきました。

よくいただく質問の中に,「ギリギリで合格したとして,その後高校の授業についていけますか」というものがあります。

受ける前から「ギリギリで合格する」ことを前提にしているということは,模試などでの判定は厳しいけれどもあえて受験して合格する,といったことを想定していらっしゃるのではないかと思います。

「授業についていけますか」という質問に対しては,高校の場合,余裕の合格であろうがギリギリの合格であろうが,努力をしなければついていけない,と思います。

高校の授業の進度は,特に上位校の場合,公立中学とは比べ物にならないくらい速いです。余裕で入学したとしても,何も努力をしなければ,あっという間に置いて行かれます。

「ということは,ギリギリで合格した生徒はついていけないということですか?」と問われれば,確かに厳しい戦いをしなければいけないことは覚悟しなければならない,とわたしならお答えします。

高校には,その高校よりも上位校を目指していたが不本意でその高校に入った,つまりその高校には余裕をもって合格した生徒から,あわよくばと思って受験したら,たまたま奇跡的に合格した生徒まで,かなり広い学力の範囲の生徒がいます。

当然,ギリギリで合格した生徒は,ついていくのがやっと,あるいは努力をしてもついていけない生徒も出てくるでしょう。

ここで考えたいのは,何の目的で高校へ通うかということです。

もし,指定校推薦を狙って通っているのなら,当然ギリギリ合格は薦められません。より余裕をもって入れる高校に行き,内申点をそろえる方がよいでしょう。(もちろん,簡単に入れる高校で指定校推薦を獲得できる大学と,難易度の高い高校が指定校推薦枠をもっている大学には差があります。)

もし,一般入試での大学受験を考えているのでしたら,高校についていけないなどと泣き言を言っている場合ではありません。大学受験は全国大会です。高校の授業でふるい落とされそうになろうがなんだろうが,ついていく努力をしなければ,大学受験で目標を達成することはできないでしょう。

実は,高校受験よりも大学受験の方が戦いやすい,とわたしは考えています。高校受験では,内申が考慮されるということもあって,主要5教科とも勉強する必要があります。数学は苦手だからやめとく,というわけにはいきません。

しかし,大学受験は実に様々な形があり,推薦以外は内申点など考慮されませんから,数学は苦手だからやめとく,ということが可能です。少なくとも数学か英語のどちらかは好き,あるいは得意だ,という場合には,ギリギリであっても合格すればその高校に行く価値はあると思います。どちらも不得意で,社会と理科のみの力で何とか合格できるかも,という場合はギリギリ合格をするとその先が厳しいかもしれません。

公立のトップ校と二番手校,二番手校と三番手校の生徒の意識にはかなり差があります。余裕をもって一つ下げれば,授業にはついていきやすいかもしれませんが,トップ校のように高みを目指す友達に囲まれるという利点も失います。

親のことなど耳に入らない高校生が将来に大きな希望を抱くには,友達の影響力が大切です。我が家の子供の周りには,東大を目指す友達,時間の無駄だからとスマホでゲームをしない友達,コロナの休校中に一日10時間以上毎日勉強し続けた友達など,よい影響を与えてくれたお友達がいました。

ギリギリでも入る価値があるとすれば,それは友達の醸し出す雰囲気や,学校が生徒に対して抱く期待から子供が受ける影響ではないかと思います。

「ギリギリで入ってもついていけますか?」という問いに対するわたしの答えは,「大学の一般受験を考えていて,英語か数学のどちらかが好き,または得意ならば,多少の無理をしてでもついていく努力をすべき。」答えになっていませんけど笑。